
ビットワイズは、この市場状況を転換点と位置付けた。特にETH/BTC比率が27%急上昇し、ビットコインのシェアが6%低下したことは、資本がビットコインからアルトコインへ移動していることを示唆していると強調した。
週間報告書で、ビットワイズのアナリスト、アンドレ・ドラゴシュ(André Dragosch)とアユシ・トリパティ(Ayush Tripathi)は「ETHの上昇は、当社が提唱する『ビットコインとの価値格差が縮小する』という仮説を裏付けるものだ」と述べた。今回の上昇にはマクロ環境もポジティブに作用し、特に米国上院で超党派の支持を受けた「ジーニアス法案(Genius Act)」と下院を通過した「クラリティ法(Clarity Act)」が先週大統領の署名を経て法制化された点が大きく影響した。これらの法案は規制監督体制を明確化し、機関投資の拡大の基盤を整備した。
ビットワイズは、イーサリアムネットワークがこれらの変化の最大の受益者だと見ている。現在、イーサリアムは全ステーブルコイン時価総額の50%を占めており、この数値は火曜日時点で1400億ドルを超えた。また、全体トークン化資産の55%がイーサリアムで運用されている。法的明確性が確保されたことで、イーサリアムベースのエコシステム全体で資本流入と商品イノベーションが加速化すると期待されている。
デリバティブ市場もイーサリアム需要の堅調さを反映している。主要取引所の未決済約定額は60億ドル増加し、CMEのETH先物取引量も過去最高を記録した。イーサリアム上場指数商品(ETP)には21億ドルが流入し、「イーサマシン(The Ether Machine)」と「ダイナミックス(Dynamix Corp)」のSPAC合併を通じて40万ETHが追加で確保され、機関のETH保有量も大幅に増加した。
ビットワイズは「ETHの変動性への懸念は一部存在するが、ファンダメンタルズは堅固だ」と分析した。また「SOL/ETH比率の低下は、機関がトークン化と伝統金融(TradFi)統合の基盤レイヤーとしてイーサリアムを好むことを示している」と述べた。
一方、オンチェーン分析プラットフォームのアイクリプト(iCrypto)は、機関資本の流入、ステーキング利回り、そして予定されているステーキングETFを考慮すると、ETHが徐々にビットコインのように「価値貯蔵手段(Store of Value)」として定着する可能性があると評価した。アイクリプトは「機関がETHを戦略的な国庫資産として積極的に組み入れている」と分析した。
2025/07/24 12:46
Copyright(C) BlockchainToday bitcoinpost24.com