暗号資産(仮想通貨)ミキサーサービス「トルネードキャッシュ(Tornado Cash)」の開発者ローマン・ストーム(Roman Storm)の弁護団が、起訴棄却要請の再考を裁判所に要請した。

16日、ローマン・ストーム側がキャサリン・ポーク・ファイラ(Katherine Polk Failla)裁判官に提出した書簡で、弁護団は検察が無罪立証に有利な証拠を隠蔽したと主張した。

核心的な争点は、米国財務省傘下の金融犯罪取締りネットワーク(FinCEN)が2023年から保有していた非管理型(Non-custodial)ミキサーサービスに対する法的定義に関する文書だ。

FinCENの関連文書には、非管理型暗号資産ミキサーが資金送金業者に該当しないという法的解釈が含まれており、検察は少なくとも2023年からこの内容を認識していたと主張している。

ストームの弁護団は、今回の主張の根拠として、最近サムライウォレット(Samourai Wallet)開発者裁判で引用された同じフィンセンの文書を提示した。当時も同じ論理で「ミキサーサービスは資金送金業者ではない」というフィンセンの内部解釈を強調し、起訴の妥当性を問題視したことがある。

ストーム側は裁判所に送った書簡で、「サムライ事件の証拠開示は、検察が最小限でも真実を曖昧に扱い、最悪の場合、この法廷を故意に誤解させたことを示している」と主張した。

検察はこれに対し、文書提出期限内に当該フィンセン文書を防御側と裁判所に伝達したとし、証拠隠蔽は事実無根という立場を明らかにした。
2025/05/19 14:50
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