オーストラリアの金融規制当局が、ステーブルコイン仲介業者に対するライセンス要件を緩和し、オムニバス口座の使用を認めたことで、関連企業の規制負担が大幅に軽減される見通しだ。

11日(現地時間)、コインテレグラフによると、オーストラリア証券投資委員会(ASIC)は、デジタル資産および決済産業の革新と成長を促進するための新たな免除措置を最終決定したと発表した。今回の措置では、特定のステーブルコインおよびラッピングトークンの二次流通に関与する仲介業者に対し、「一括免除」を提供するとしている。

この免除により、企業は当該資産を仲介するために高額なライセンスを別途取得する必要がなくなり、適切な記録管理システムを備えていれば「オムニバス口座」の利用も可能となる。

今回の新しい規定は、既存のステーブルコインに関する規制緩和措置をさらに拡大したものだ。これにより、仲介業者がステーブルコインやラッピングトークン関連のサービスを提供する際に求められていた、オーストラリア金融サービス(AFS)ライセンスの保有要件が撤廃された。

オーストラリアのステーブルコイン発行企業マクロポッド(Macropod)のドリュー・ブラッドフォードCEOは、「国内におけるステーブルコイン分野での公平な競争環境を築くきっかけになる」と評価。特に、準備金や資産管理基準などの核心要件について、より明確で柔軟な枠組みが提示されたことで、「業界がより自由に成長できる土台が整った」と強調した。

これまで既存のライセンス要件は、コストの高さや複雑な規制遵守負担が問題となり、デジタル資産規制全体の再編を待つ業界にとって大きな障壁となっていた。ブラッドフォード氏は「こうした慎重で明確な規制整備は、実際の決済、企業の資金管理、クロスボーダー送金、オンチェーン決済といった実用事例の拡大に不可欠だ」と述べた。また、「オーストラリアはグローバル市場で競争力を確保しようとする姿勢を示しつつ、機関投資家や消費者が求める規制上の安全性も維持している」と付け加えた。
2025/12/12 12:18
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