マスク氏、新党「アメリカ党」結成宣言…トランプ氏「第3政党は成功したことがない」と批判

マスク氏が「アメリカ党(America Party)」を立ち上げ、共和党票を分散させる可能性が提起されると、トランプ大統領がこれを強く非難した。

マスク氏がアメリカ党の創設を宣言すると、トランプ大統領は数時間後に自身のソーシャルメディア「Truth Social」に「イーロン・マスクが過去5週間、列車事故のように完全に脱線する姿を見るのは残念だ」とし、「米国史上、第3政党は成功したことがない。このシステムはそのような政党に合わせたものではない」と指摘した。

マスク氏のアメリカ党は2026年の中間選挙を目指し、一部の共和党地域区に挑戦するという立場を明らかにし、共和党票の分裂に対する懸念を強めている。マスク氏は、共和党が通過させた大規模な税金・支出法案である「One Big Beautiful Bill」に反発し、この法案を支持した議員を落選させると公言したことがある。

マスク氏は「この法案は、今後10年間で3兆3000億ドルの国家負債を追加するだろうという嫌なモンスター」と非難した。彼はこの法案が、彼が一時的に担当した政府支出効率化部門(DOGE)の改革努力を無力化すると主張した。DOGEは、マスクがドージコイン(Dogecoin)にちなんで名付けた部署で、政府支出削減を目的とした組織だった。

マスク氏は、アメリカ党が「わずか23の上院議席と810の下院選挙区を支配するだけで、主要法案のキャスティングボートを握ることができる」と述べ、「真の民意を反映する」と述べた。

マスク氏の影響力と資金力を考慮すると、今回の新党創党が米国の両党政治体制に予想より大きな変化をもたらす可能性があるという分析も出ている。実際、マスク氏が創党宣言をした直後、「アメリカ党」と「DOGE」、「X」を名前に含む多数の政党が米国連邦選挙管理委員会(FEC)に登録され、このうち一部は偽物であることがマスク氏本人の確認で明らかになった。